家のドアを開けた瞬間、
今日も変わらない光景がありました。
中から聞こえる足音。
そして次の瞬間、
全力でこちらに向かってくる犬。
──はい、今日もです。
特別なことがあった日でもなく、
むしろちょっと疲れて帰ってきただけなのに、
ハルは毎回「一大イベント」みたいなテンションで迎えてくれます。
さっきまで寝ていたはずなのに、
どこからその元気が出てくるのかは謎です。
荷物を置く暇もなく、
とりあえず撫でる。
撫でないと始まらないし、
撫でてもなかなか終わりません。
正直なところ、
「ちょっと待ってほしいな」と思う日もあります。
でも、しばらくすると、
さっきまで頭の中を占領していた仕事のこととか、
小さなモヤモヤとかが、
どうでもよくなっていることに気づきます。
ハルはたぶん、
私がどんな一日を過ごしたかなんて知りません。
うまくいった日かどうかも、
疲れている理由も、
全部お構いなしです。
ただ、
「帰ってきた」
それだけで大歓迎。
毎日同じことの繰り返しなのに、
こんなふうに迎えられるのも悪くない。
今日も特別な出来事はなかったけれど、
ちゃんと帰る場所があって、
ちゃんと迎えてくれる存在がいる。
それだけで、
この一日は十分なんです。

