見守りカメラって、安心のために買ったはずなんです。留守番中のハルの様子が見られたら、仕事中も落ち着けると思って。
ところが我が家の場合、見守りカメラはときどき――安心の道具ではなく、私の心拍数を上げる装置になります。
昼休み、スマホを開く。
画面に映るのは、いつものリビング。いつものソファ。
そして、ソファの“ひじ掛け”に、器用に顔と体をあずけているハル。
あそこ、ハルのお気に入りなんです。
ちょっと高くて、ちょっと見晴らしがよくて、なんとなく“偉い席”。
……かわいい。
かわいいんだけど。
動かない。
「え、ちょっと待って」
かわいいの次に来た感情が、焦りでした。
ハルが“ひじ掛けの置き物”みたいに見えて、私だけ全力で動揺した日の話です。
仕事中に“静止画みたいな犬”を見た瞬間
見守りカメラって便利ですよね。
…便利なんですけど、心配性の私にとっては、安心の道具であり、心拍数を上げる装置でもあります。
ある日の昼休み。いつものように、スマホでポチッと見守りカメラを開いたら、そこにいたのは――
ソファのひじ掛けに顔を乗せて微動だにしないハル。
「……え、止まってる?」
画面の中、静かすぎる。静止画みたい。いや静止画じゃないよね?(見守りカメラだもんね?)
ズームしても、動かない
私は迷いなくズームしました。
耳?動かない。
お腹?上下してる?してない?(してる…ような…)
まぶた?まばたき…してない。
もうこの時点で、私の脳内は勝手に最悪のシナリオへダッシュです。
誰も頼んでないのに、脚本家みたいに展開を作るんですよね。心配性って。
心臓だけは動きっぱなし(私が)
一方そのころ、現実の私は職場。
画面の中のハルは静か。
私は心臓バクバク。
「お願い、動いて…」
カメラ越しに念を送る飼い主。怖い。自分で言ってて怖い。
でも、ここで気づきます。
私は今、犬の心配をしているというより、自分の不安の世話をしているんだな、と。
心配性スイッチが入る理由
心配性って、たぶん優しい面もあると思うんです。
大事な存在を守りたい気持ちが強いから、先回りして考えちゃう。
でもその先回りが、たまに暴走する。
最悪の想像が得意すぎる
「寝てるだけ」よりも先に、
「具合悪い?」
「苦しくない?」
「何かあった?」
が、3段跳びで浮かぶ。
「何もない」が信じにくい
何もないならいい。
何もないなら安心。
なのに、心配性の私は「何もない」を信じるのが下手です。
“安心”って、目に見えない。
だから私は、目に見えるもの(=カメラ)で安心を作ろうとして、逆に不安を増やすことがある。
…うん、ややこしい。
ハルは爆睡してただけ
結局どうなったかというと――
帰宅して玄関を開けたら、ハルは普通に伸びをして、いつもの顔でこっちを見ました。
「何かあった?」みたいな顔で。
いや、こっちのセリフです。
平和の証拠だった
犬が爆睡できてるって、実はすごく良いことなんですよね。
留守番環境が落ち着いてる証拠だし、安心して眠れる場所があるってこと。
ソファのひじ掛けに顔を乗せて寝られるって、つまり――
家の中で「ここは安全」って思ってるってことでもある。
頭では分かる。分かるけど、
でも、飼い主の心は乱れる
画面の中で動かない犬を見ると、飼い主の心だけが動きすぎる。
犬は静か。
私は忙しい。
この差が、ちょっとおかしくて、ちょっと愛おしい。
留守番の不安を減らす、私の小さな工夫
同じように「見守りカメラで心臓が忙しい」タイプの方へ、私がやって少しラクになった工夫を置いておきます。
カメラを見る回数を決める
私は「見たい時に見る」をやめました。
代わりに、見る時間を固定します。
例:昼休みに1回だけ。
それ以上は、よほどのことがない限り見ない。
回数を決めると、少し気持ちがラクになります。
出かける前の“確認儀式”を3つに絞る
心配性ほど、出かける前のチェックが増えますよね。
私は以前、温度・水・ベッド・おもちゃ・部屋の音・カーテン…と増殖してました。
なので、今は3つだけ。
- 室温(エアコン)
- 水
- 安心できる寝場所
これだけやったら「もうOK」にする。
儀式が短いと、気持ちも軽く出かけられます。
帰宅後の「ただいま」を丁寧にする
帰宅後に、犬をぎゅっと抱きしめる…まではできない日もあります。
(仕事でヘトヘトの時、ありますよね)
でも私は、目を見て一言言うようにしました。
「ただいま。お留守番ありがとう」
言ってるのは私なのに、私が落ち着く不思議。
たぶん一番欲しかったのは、犬の安心より、自分の安心だったのかもしれません。
犬は大丈夫、先に心配が走るのは私
今日もハルは元気。
そして私は、今日も少し心配。
でも、心配しながらも暮らせているってことは、
ちゃんと一緒に暮らせているってことだと思うことにしました。
同じタイプの方がいたら、「分かる…」って笑ってもらえたら嬉しいです。
うちは見守りカメラがあるだけで気持ちが落ち着く日が多いので、「自分が安心できる仕組み」をひとつ持っておくのはおすすめです。

